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夢と情熱と、紙1枚無駄にしない心がけ

Honda(本田技研工業)創業者の本田宗一郎は、日本で最も人気のある経営者の一人でしょう。

自動車修理工場の奉公からスタートし、会社を立ち上げ、部品製造、エンジンつき自転車、バイク、自動車と事業を広げ、二輪と四輪で世界を席巻しました。今ではロボットやジェット機にまで領域を広げています。

Hondaがバイクの生産を開始してまだ5年しか経っていない1954年、世界最高峰のバイクレースである英国マン島TTレースへの参加を宣言し、その7年後に完全優勝を遂げたエピソードは有名です。
そのレース参加にあたり本田宗一郎が社員に向けて書いた宣言(*1)が、私はとても好きです。

「本田技研の将来は一にかかって諸君の双肩にある。ほとばしる情熱を傾けて如何なる困苦にも耐え、緻密な作業研究に諸君自らの道を貫徹して欲しい。本田技研の飛躍は諸君の人間的成長であり、諸君の成長は吾が本田技研の将来を約束するものである。」

という部分は、社員と会社がともに成長することを真摯に呼びかける名文だと思います。
文章はこのあと、以下のように続きます。

「ビス一本しめるに払う細心の注意力、紙一枚無駄にせぬ心がけこそ、諸君の道を開き、吾が本田技研の道を拓り開くものである」

独創的な技術と発想に注目されることが多い本田宗一郎も、緻密で細心の地道な努力の積み重ねの大切さを良く知っていたのだと思います。
たかが紙1枚という気持ちでは、強い会社を作ることはできませんし、ビス一本しめるに払う細心の注意力なしでも、強い会社は作れません。

会社の創業者にお会いできる機会が多くありますが、ご自分で事業を立ち上げて成功されている方は皆さま、細心で地道な努力をとても大切にされています。

起業や経営には、夢や情熱に加えて、細心で地道な努力が必要であり、これらは経営の両輪といえるでしょう。

私たちの会計事務所も、より優れたサービスを永続的に提供できるよう、私個人の事務所から、所員全員が組織的に運営する体制へと移行していくことを長期的な目標としています。

所員全員の想いをかなえられるよう、夢と情熱と、細心で地道な努力とをもって、私たち会計事務所の経営を進めていきたいと思います。

(*1) 藤沢武夫著「経営に終わりはない」によると、この文章は、本田社長名で藤沢武夫が書いたのだそうです。同書には「心をこめて、念入りに書きました」とあります。

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